姫路市の病院に勤められている宮田様は、幼児期に罹患したポリオのため両下肢が不自由で、WHILL Model Cをご利用されています。小児科専門医として著書も出版されている宮田様ならではの、WHILLに対するご感想をいただきました。
Model Cは軽快に使い始めることができる
現在は主に病院内での移動に使用しています。常駐している病棟から離れた病棟に入院しておられる患者さんへの往診が移動の面で大変でしたので、本当に便利になりました。今まではほとんど手動車いすも使わずに自分の足で歩いていたので、一足飛びに電動車いすは大げさな気がしてためらっていました。しかし、Model Cはパーソナルな小型EVのような感覚で軽快に使用できるので、これからどんどん活動範囲が広がっていくと思います。
ADLからQOLへの転換に非常に良いツール
「ADLからQOLへ」という言葉があるんですよ。ADL(Activity of Daily Life)の自立とは、要するにトイレ動作や歩行、服の脱ぎ着などの日常生活動作が全部自分でできることを言います。障害がある方の今までのリハビリテーションの目的はADLの自立でした。しかし、1980年のリハビリテーション世界会議をきっかけに、ADLを求めるリハビリテーションからQOLを求めるリハビリテーションに変わっていこうと言われ出しました。QOL(Quality of Life)とは、一人一人の人生の質や生活の質のことを指し、ある人がどれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、人生に幸福を見出していくか、ということを尺度としてとらえる概念のことです。
例えば、1時間以上かけて自分で服を着替え、長時間かけて自分の足で一生懸命に目的地に行き、結局自分のしたい活動の時間がとても短くなってしまうAさんより、人の手や機械の手を借りて服の脱ぎ着を15分で済まし、電動車いすを使って移動を簡単に短時間で済ませることで、自分の活動時間をしっかりとるBさんの方が、人間の自立度として高くなるといった考え方が「ADLからQOLへ」の考え方です。電動車いすはこれからQOLの向上において、大きな役割を果たすだろうと思います。
自分はまだ歩けるわけですが、しんどい思いをしながら歩こうとして本来の活動がおろそかになるよりも、移動手段をWHILLで代替した方が、楽に活動ができるし、仕事も充実します。患者さんの前を通るときだって、よりかっこよくありたいというのが私の希望でしたので、その点でもWHILLは最適です。
より多くの人に使って欲しい
Model Cはフットサポートの上に乗っても転倒しないほどの安定感があって、気軽に安全に乗り降りできるところが魅力です。まだ歩行できる人が杖との併用という形で使っていけばいいと思います。また、これからいろんな人が使用していく上で、体幹機能の弱い人でも使えるように、背もたれの形状や座位保持装置のバリエーションを充実させていってほしいですね。私の患者さんの中にも、使って欲しい子どもたちがいますよ。子ども用に幅や高さがもっと調整できればいいですよね。