2020-2023
コロナ禍を経て、
免許返納後の移動手段
として販路開拓
この頃日本では、高齢ドライバーの免許返納が大きな社会課題として叫ばれるようになっていました。免許返納件数も一時的に増加。一方で、特に地方ではその後の移動手段の選択肢は乏しく、返納後は自宅にこもってしまい心配する家族の声も聞かれるようになりました。ウィルはこの課題を解決するため、ウィルを免許返納後の移動手段として位置付け、新たな販路として自動車ディーラーとの協業に乗り出していきます。
「ウィルみたいな(電動車椅子)を提案できる自社のお客様は自社にいない」
提案に行っても取り合ってくれる会社はほぼいません。取り扱い自動車ディーラーはわずか数社という苦戦を強いられる状況が2年ほど続きました。
地道な営業活動とウィルの認知拡大により、少しずつ契約社数も増えていく中、転機となったのが、一定の違反歴がある高齢ドライバーに運転技能検査が義務付けられる道交法の改正です。これにより、高齢者の移動課題を巡る社会からの注目に加え、自動車ディーラーにも自社顧客やその家族から免許返納やその後の移動に関する相談が増えていきました。
これに伴い、ウィルの取り扱いを希望する自動車ディーラーからの問い合わせも殺到。時を同じくしてWHILL社初となる歩道を走れるスクーター「WHILL Model S」がウィルの製品ラインアップに加わります。ハンドルがあることで、これまで自動車や自転車に乗ってきた方も、あまり違和感なく利用しやすいモデルで、自動車ディーラーやお客様からもかねてより要望が多かったものでした。
ウィルはまた、自動車ディーラーと連携し、ウィルの修理や定期点検といった安心安全なサービス体制も構築。地域とブランドの垣根を越えた販路は全国1,500店舗を突破するほど、ウィルの販売事業を支える重要なチャネルへと成長を遂げています。