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<プレスリリース>産科病棟における自動運転モビリティサービスの実証実験を開始

〜患者移動の安全性や利便性、医療スタッフの業務効率化を検証〜

国立成育医療研究センター(所在地:東京都世田谷区大蔵、理事長:五十嵐隆)とWHILL株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:杉江理、以下「WHILL社」)は、出産後の患者さんを病室まで自動運転で移動させる「WHILL自動運転システム(注1)」の実証実験を開始しています。同サービスはこれまで、病院外来や空港などでの活用事例はありましたが、病棟内での利用は国内初となります。

出産直後の患者さんは、身体の痛みなどのため車椅子でLDR(陣痛・分娩・回復室)から病室に戻ることが多く、医療スタッフが車椅子を押して移動しています。その際、医療スタッフは新生児を乗せたカートや、患者さんの荷物などを運ぶ作業もあり大きな業務負荷がかかっていました。

本実証実験では、WHILL自動運転システムを産科病棟に取り入れ、医療スタッフの業務効率化や患者さんの移動における安全性・利便性などを検証していきます。本取り組みは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の「AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム(注2)」プロジェクトによる支援を受けて行われています。

■研究概要

◇導入台数:1台 ※エリア拡張とともに必要台数をレビュー

◇エリア:国立成育医療研究センター 6階産科病棟 ※当初は西エリアからスタート、その後東エリアへ拡張

◇内容:LDRから出てきた出産後の患者さんをWHILL自動運転システムにより、病室の前まで搬送。病室までは自動運転モードで走行し、利用終了後は無人運転により、ナースステーション前にあるWHILL保管場所に戻る。

◇検証項目:

・周産期管理を要する患者さんを対象とした場合にも安全を確保し、快適な利用が可能であるか

・同伴する医療スタッフにとって従来の車椅子搬送と比較して負担軽減が図れているか

・利用における改善点

◇調査方法:無記名式アンケート

 

今後の展望について、本実証実験の結果を基に国立成育医療研究センターとWHILL社は連携を深め、 医療の現場におけるサービスの向上を図ります。将来的には、WHILL自動運転システムの利用範囲を拡張する計画を進め、現在の病室前までの移動サービスから、患者さんがベッドへの移動がより楽になるよう、各病室内まで自動運転で入っていくシステムを構築することを検討していきます。

WHILLを実際に利用した患者さんからは、「従来の車椅子より振動が少ないので乗り心地が良かった」「WHILLの振動が少ないので、傷(会陰切開)に響かなくてよかった」など、ご好評の声を頂いています。

 

注1:WHILL自動運転システム

WHILL社が開発する、デザイン性と走破性に優れたパーソナルモビリティに自動運転・自動停止機能などを搭載した「WHILL自動運転モデル」と、複数の機体を管理・運用するシステムから構成される、歩道・室内領域のための自動運転システム。あらかじめ収集した地図情報と、センサー群で検知した周囲の状況を照らし合わせ、自動走行および自動運転による無人での返却が可能。

注2:AI(人工知能)ホスピタルによる高度診断・治療システム

AI、IoT、ビッグデータ技術を用いた「AIホスピタルシステム」を開発・構築・社会実装することにより、高度で先進的な医療サービスを提供するとともに、医療機関における効率化を図り、医師や看護師などの医療従事者の抜本的な負担の軽減を実現することを目的とした内閣府のプロジェクトです。

<WHILL社について>

WHILL社は、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、世界中で、近距離移動の​プラットフォームを作っていきます。2012年5月に日本で創業し、2013年4月に米国、2018年8月にはオランダ、2019年12月には中国にそれぞれ拠点を設立しました。パーソナルモビリティとMaaSの二つを事業の柱とし、パーソナルモビリティ事業では、デザインとテクノロジーの力を生かした、近距離用のモビリティとして、WHILL Model C2をはじめとする製品群を、23の国と地域で販売しています。またMaaS事業においては、障害の有無や年齢に関わらず、だれもが楽しく安全に乗れる一人乗りのモビリティによる移動サービス・システムの提供により、既存の交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の移動の最適化を行います。

 

〈本件に関する報道関係者のお問合せ先〉

WHILLについて
WHILL株式会社 担当:新免(シンメン)

TEL:070-4456-9991 / E-mail:jp.pr@whill.inc

実証実験について

国立成育医療研究センター 広報企画室 村上・近藤

TEL:03-3416-0181 / E-mail:koho@ncchd.go.jp