長野県でロッジ経営や山岳救助など、山と共に過ごされてきた中村様。要介護4の認定を受け、介護保険レンタルで2018年の春からModel Cを利用されています。WHILLに乗るようになってから、頻繁に出向くようになった「あずみの公園」でお話を伺いました。 |
誰にも会いたくなかった。
7年前に大けがをし、その半年後に脳梗塞にも見舞われ車椅子生活が始まりました。最初に乗っていた電動車椅子は横幅が大きく、ちょっとした段差も乗り越えられないため行動範囲が制限されていました。
車椅子に乗った自分に対して同情や差別のような視線を感じることもあり、次第に外に出ることが嫌になって部屋に閉じこもりがちになりました。「動けないし、仕事もできない。俺なんかもうダメだ」と家族に当たることもありました。
ある時、病院でたまたまWHILLに乗った若い方の姿を見かけたのですが、一目見ただけで、自分の行動範囲が広がりそうだと感じました。ただ当時は、その近未来的なデザインから、病院の特別な機器であって、市販はされていないだろうと思い込んでいたんです。しばらくして、以前の電動車椅子をレンタルしていた会社から「こんな製品が出ましたよ」とWHILLの紹介を受け、すぐに試乗させてもらいました。
好きな場所に行ける。けがをする前と変わらないと思えた。
WHILLに乗るようになってからは妻と夕日を見ながら散歩したり、今年から再開した油絵の画材を買いに行ったりと、穏やかな時間が増えました。天気のいい日はWHILLを車に積んで、家族と一緒に大好きな山に行くことが何よりの楽しみです。周りから「若返った」と言われるのもささやかな喜びです。
やりたいことが湧いてくる。
今年に入ってからは個展を開催し、油絵を通じて多くの方に山の魅力を伝えることができました。今後は釣りをしたり、ロッジのお客さんに料理を振る舞うなど、自分らしい生活を取り戻していきたいです。
担当ケアマネージャー様より 私自身、9年間ケアマネをしていますが、中村さんのケアプランを作成するまで、ケアプランに電動車椅子を含めたことがありませんでした。電動車椅子の事故がニュースで取り上げられるので敬遠していたのかもしれません。 利用されているショートステイでも周囲から声をかけられることが多く、コミュニケーションが増えたと伺いました。奥様は、以前の折り畳み式では車載に苦労されていましたが、分解して車載できるようになったのでとても楽になったご様子。WHILLの機能やデザインはご本人だけでなく、ご家族の負担や気持ちも楽にしていると思います。もちろん合う合わないはありますが、ケアマネとして利用者さんの「なりたい姿」を考え、勧めていくことが大切だと思いました。 |
WHILL MAGAZINEを読んだ奥様より (2018年12月-2019年1月号に本インタビューが掲載されております。) 夫と娘が心の底から笑い合う日が再び訪れるなんて、夢のようです。夫の精神力には今までも驚かされることが多々ありましたが、完全復活したように感じます。 「障害者の手足になる」 WHILL MAGAZINEを見て涙ぐむ夫の姿をWHILLの開発チームの方にお知らせできたらと切に願います。ありがとうございました。そしてこれからも、私たち家族のようにふたたび笑顔が戻る方がひとりでも多くなりますようにと願っております。 |