お客様の声

Customer's Voice

どんなTPOにもマッチする、それがWHILLに乗りたい理由でした。

25歳の粟井様は、高校生まで杖と手動車椅子を使って生活していました。上京して大学に入学する18歳のときに簡易型電動車椅子を購入。そして、2018年の冬に補装具費支給制度を使ってWHILL Model Cに乗り換えました。


手動車椅子を一生懸命漕ぐことが偉いことだと思っていました。

高校生のときに、大学進学を目指しましたが、志望校に行くためには一人暮らしをする必要がありました。そこで、障害のある学生の高等教育へのアクセスを支援するプログラムに参加しました。
プログラムに参加するにあたって、初めて家族や友人と一緒ではなく自分の力で東京の街を移動することになりました。これは、香川から出てきた私には大きなチャレンジの一つでした。そのため、上京する前の3週間、毎日家の周りを2〜3km、手動車椅子を漕ぐ練習をしていました。しかし、もともと握力の弱い私はスムーズに移動できず、集団行動に遅れを取っていきます。過密スケジュールのプログラムの中で、車椅子を漕ぐことに体力が消耗されていきます。

そんな中、「それで本当にいいの?」と声をかけてくれたプログラムの先生がいました。歩いたり手動車椅子を漕ぐといったことは、私にとってとても困難なこと。それを、無理にでもやろうと努力することが必ずしも偉いわけではない、という新しい考え方との出会いでした。その時まで私は、頑張って車椅子を漕ぐことは褒められることだと思っていました。実際、周囲の人たちにも「頑張って車椅子を漕いでいて偉いね」と声をかけられることが多かったのです。このことがきっかけとなってさまざまな事を考えさせられました。

「手動車椅子を漕ぐことに使っている体力と時間を、他のことに使ったらもっとできることが増えるのではないか?」
「ツールを使って、一番頑張りたいことに力を注がなくていいのか?」
「私が本当にやりたいことは何だろう?」

こうして私は東京の大学に進学すると同時に、電動車椅子を入手することを決めたのです。

 

WHILLにどうしても乗りたかった

初めて手に入れた電動車椅子は簡易型でしたが、2台目はWHILLがいいと決めていました。大学を卒業し就職したタイミングで念願が叶いました。
WHILLの好きなところの一つは、どんなTPOにでもマッチするところです。結婚式に出席するときのドレス、成人式のときの振袖、就職面接のときのスーツなど、どんな服にも似合います。

他社の車椅子もスポーティーだったりカラフルだったり、かっこいい製品や、おしゃれな製品はたくさん出てきています。しかし、想像してほしいのは、私たちにとって車椅子はいつどんなときも乗っている物であるということです。スポーティーな車椅子はカジュアルな格好には似合いますが、スーツやドレスに似合うでしょうか?カラフルな車椅子はその物自体は素敵ですが、かっちりとした面接やプレゼン、葬祭のときなどに、場の雰囲気から浮いてしまわないでしょうか?
私は「TPOに合わせた立ち居振る舞いをしたい」という気持ちを邪魔しない、ニュートラルなデザインが欲しかったのです。

 

デザインが良いか悪いかという話ではない

TPOに合わないという辛さは幼い頃から抱えていました。例えば、靴です。幼い頃は足に装具をつけていたので、装具用の靴を履いていました。地味な色しか選択肢がなく、年齢にそぐわないデザインで、ずっとネガティブな気持ちで靴を履いていました。同級生が履いている流行のキャラクターの靴を見て、疎外感を味わうこともありました。
特にピアノの発表会のときの事を覚えています。綺麗なドレスを着て、髪の毛を可愛くセットしても、装具用の靴だけは運動靴のようなデザインのままだったのです。

デザインが良いか悪いかという話ではないんです。自分にだけ選択肢が限られていたり、全身のコーディネートがちぐはぐになったりすることがとても嫌でした。またそれを「障害があるから仕方ないよね」と、自分で思うことも他人から思われることも私は許せませんでした。

 

目指して欲しいのは"モノ"としてのかっこよさ

福祉用品になるとその世界の基準だけでデザインが決められてしまうと感じています。車椅子といえばあの形しかない。色にはバリエーションがあったとしても、形に大きな変化があるわけではない。車椅子は車椅子として作られていて、車椅子としておしゃれなだけ。それで自分を表現するにはあまりにも狭いと感じます。

目指して欲しいのは”モノ”としてのかっこよさです。ファッション誌に載っていてもおかしくないと思えるような車椅子が欲しかったんです。車椅子業界に限らず福祉用具を作る人たちが、そういった視点をもっと持ってくれると良いなと思います。

人は「選び取る」というところで「自分を表現する」ことができます。それを福祉用具においてもできるようになると、「自分らしくない」という辛さから脱することができるのだと思います。

トップに戻る