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<お知らせ>滋賀県守山市・WHILL社・東京海上が連携、近距離モビリティ社会実装に向けた意見交換会を開催

〜産学官から30名超参加:道交法改正で歩行領域モビリティのニーズ高まる中、シェアリング実証実験振り返りと普及へのアクション検討〜

滋賀県守山市、WHILL株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 CEO:杉江理、以下「WHILL社」)、東京海上日動火災保険株式会社(本社:東京都千代田区、取締役社長:広瀬伸一、以下「東京海上」)は、2023年2月10日(金)に近距離モビリティ社会実装に向けた意見交換会を産学官で開催したことをお知らせいたします。高齢化が加速する日本社会において、道路交通法が改正されるなどに伴い、歩行領域をカバーするモビリティサービスのニーズが高まる中、全国に先駆けて滋賀県で実施してきたWHILL活用の実証実験を振り返るとともに、社会普及に向けて多様な立場から議論することで、今後の施策検討につなげると同時に、移動課題などを抱える他地域での参考の一助にしていただく目的です。

滋賀県ではこれまで、地域の快適で気軽な移動サービス提供に向けて、シェアリングなどWHILLを活用したさまざまな実証実験が進められてきました。守山市では2022年9月から3カ月にわたり、守山駅を起点に2〜3km圏内の買い物や散策、びわこ地球市民の森施設内での移動に利用していただく目的でWHILLを無料で貸し出しました。長浜市・彦根市も同期間で同じような形で実証実験を実施しましたが、守山市での利用数は圧倒的に多く、アンケート回答数では75件の回答が得られました(長浜市:12件、彦根市:7件 ※利用後にアンケートに回答しなかった方もいらっしゃいます)。

東京海上の結果報告によると、守山市では特に、実証実験と並行してWHILLを活用した各種イベントの実施による積極的な認知活動に加え、貸出場所が目につきやすかったり、貸し出し時にWHILL散策マップを配布したりと、気軽な利用を促す工夫が多かったことが押し上げ要因の一つと考えられます。アンケート回答を項目別に見ると、年齢層は70代が最多で約3割(28%)を占め、次いで多かったのが40代(21%)でした。利用目的は「ショッピング・外食等」(28%)、「自然散策」(27%)が高く、平和堂への買い物やびわこ地球市民の森の散策など、より生活に密着した利用が特徴的です。身体状況別では、7割超(73%)が「500m程度かそれ以上、休みなく歩行可能」と答えており、「行きたいところに行ける楽しさや歩行とはまた違った爽快感を感じた」 「乗心地がよい」「守山駅から中山道までは距離があり、WHILLでの移動にちょうど良い」といった声が挙がっています。

一方、アンケートからは「幅広い層への告知を強化すべき」「周りの目が気になる」「斜めの道があって少し乗りづらい」「どこで買えるか分からない」といったフィードバックが多かったほか、WHILLで実際に地域のバリアフリーチェックやゴミ拾いをした立命館守山高等学校の学生からも「周囲の視線が気になる」「道幅が狭く、段差も多い」といった感想も聞かれました。一連の振り返りから、認知度の低さや珍しい乗り物に乗っているという周囲からの視線、道路インフラ形態などが課題として浮き彫りになりました。

実証実験の関係者からは、トヨタカローラ滋賀が「自社店舗でWHILLを取り扱っていることを知ってもらう必要がある」、守山市が「あと一歩先に行ければ、もう少し移動が広がる世界になればいい。WHILLはその可能性を秘めている」とそれぞれコメントしました。

第2部では学生・社会人混合の6グループでそれぞれ、「理想の実現に向けてモビリティを活用して滋賀でやりたいこと」をテーマに、1時間ほど設けてディスカッションしました。多くのグループから挙がったのは、“電動車椅子=ネガティブなイメージ”という課題感に対し、若者世代への認知活動や乗ってもらう機会を増やすことで、誰もが気軽に乗れる移動手段であることを訴求するという内容です。具体的にやってみたい施策として、文化祭などに来校したご家族にWHILLを貸し出して一緒に校内を巡ったり、学生の間で人気が高いSNSでの発信を強化したり、といった案がありました。また、気軽に近距離を移動できるよう、守山市のあらゆる公共施設にWHILLを設置するほか、距離間隔が近いバス停をWHILLに置き換えるといったアイデアや、スタジアムでWHILLに乗って観戦できるようにするといった声も挙がっています。WHILL社 日本事業本部 執行役員 本部長の池田は、全グループの発表を聞いたまとめとして「認知には、自分ごと化していただくことが大切。あらゆる立場からお集まりいただき、WHILLについて、歩行領域モビリティの社会浸透について、一緒に考え議論することができた貴重な機会」と総括しました。


守山市、WHILL社、東京海上は本意見交換会で得たアイデアや考え、フィードバックをもとに、WHILLの社会普及を通じたいつまでも住みやすい地域を目指し、次のアクションを検討してまいります。

■守山市 近距離モビリティ社会普及に向けた意見交換会

日時 2023年2月10日(金)13:00〜15:30
場所 立命館守山中学校・高等学校 コミュニティサービスセンター 学習室1
出席者 滋賀県土木交通部、守山市、琵琶湖マリオットホテル、トヨタカローラ滋賀、道の駅・草津、立命館大学など産学官から計32名(※報道関係者除く)
内容 第1部:これまでのWHILL実証実験 振り返り&結果報告(東京海上日動)

WHILLを活用したバリアフリーチェック報告(立命館守山高校)

WHILLのこれまでの取り組み、全国の事例共有(WHILL社)

 

第2部:「理想の実現に向けてモビリティを活用して滋賀でやりたいこと」をテーマに6グループに分かれディスカッション

意見発表(各グループ)

総括・まとめ

■滋賀県でのこれまでの取り組み

WHILL社と東京海上は、WHILLを取り扱う地場の自動車ディーラーと連携しながら、より住みやすい地域づくりを目指して、さまざまな自治体とWHILLを活用した実証実験を進めています。

2022年春には大津市、同年秋には守山市・長浜市・彦根市でWHILLシェアリング実証実験を実施したほか、大津市立堅田中学校や滋賀大学とも連携し、WHILL街歩きプランコンテストと実際に地域住民参加型の街巡りツアーを開催しました。また、立命館守山高校の学生はWHILLで校内や周辺を巡りバリアフリーチェックを行いました。

体力や⻑距離歩行に不安を抱える方など、すべての方が利用できる快適な移動サービスを提供し、半径2~3km圏内に点在する商店などへの周遊性を向上させるとともに、より気軽に使えるようにするための現状の課題と施策を検討する目的です。


滋賀県実証実験に関するプレスリリース:https://whill.inc/jp/news/119916

 

■WHILLについて

WHILLは免許不要で歩行領域を走行できる近距離モビリティです。Model C2は高いデザイン性と5cmの段差乗り越え、後輪を軸にその場で一回転できる小回り能力、リアサスペンションを採用した滑らかな乗り心地などを特長とし、Model Fは軽量化を実現した折りたためるモデルです。Model SはWHILL社初となる歩道を走れるスクータータイプで、ハンドルがあることで、より安定してより長く走ることができ、免許返納後や自転車からの乗り換えなどに適したモデルです。お客様のお身体状況や移動のニーズに合わせてお選びいただけます。製品について:https://whill.inc/jp/