「パーソナルモビリティ」という言葉を聞いたことがありますか? 今、海外をはじめ日本の自動車メーカーやロボット産業界が開発を始めている、1~2人乗りの小型電動コンセプトカーなどを指す次世代自動車の概念です。「パーソナルモビリティ」が注目される背景には、超高齢社会に突入した日本における移動手段の確保などの課題があります。10分前後で歩ける500メートルという距離を進むのに、足腰が弱ったために、その倍以上の時間がかかってしまう。徒歩数分の移動も大変で、外出をためらってしまう。そんな課題を、「パーソナルモビリティ」が克服してくれるかもしれないのです。この記事では、そんな「パーソナルモビリティ」についてご紹介します。
パーソナルモビリティとはどんなものか?
次世代自動車として注目される「パーソナルモビリティ」。発展途上の概念のため、現状では、わかるようでわかりにくいものとなっています。そこで、簡単に整理してみました。
パーソナルモビリティの定義
パーソナルモビリティとは 、町中での近距離移動を想定した1~2人乗りの小型電動コンセプトカーなどを指す次世代自動車の概念 です。歩行者と自動車やバイクといった従来の乗り物との中間的な位置付けですが、歩道や屋内での走行を想定された「より歩行者に近いもの」と、車道を走行する「より自動車・バイクに近いもの」があります。
前者でイメージしやすい有名なものでは「SEGWAY®(セグウェイ) 」などがこれにあたり(日本では、無許可での公道の走行は禁止されています)、後者ではトヨタ自動車の「i-ROAD 」や日産自動車の「NISSAN New Mobility Concept 」などが挙げられます。
なお、国土交通省の資料では、これらを含めて「超小型モビリティ 」としていますが、ここでは便宜上、前者を「パーソナルモビリティ 」、後者を「超小型モビリティ 」として解説していきます。
参照:国土交通省「超小型モビリティ導入に向けたガイドライン 」
パーソナルモビリティの市場
では、「パーソナルモビリティ」にはどんなものがあるのでしょうか。実は、大人向けのアクティビティともいえるアレやコレも、「パーソナルモビリティ」だと言えるのです。
パーソナルモビリティにはどんな種類があるか
歩道での走行を想定して開発されている「パーソナルモビリティ」は近年、様々な形態に分かれてきています。
海外はもちろん、国内の企業も参入しており、大きく分けると立った状態で移動する 「SEGWAY®」「MonoRover R2」「Ninebot One S2」「Winglet」「SLIDE」などと、座った状態で移動する 「UNI-CUBβ」「ウィル」などがあります。
「SEGWAY®」や「Winglet」は二輪走行でハンドル がついており、見た目がスケートボードのような「MonoRover R2」はハンドルがないハンズフリー 、「Ninebot One S2」にいたっては一輪車のハンズフリー であるなどの違いはありますが、どちらも立った状態で操作するパーソナルモビリティであり、主に体重移動で前後左右の移動を操ることができます。
なお、「SLIDE」は、トヨタの高級車ブランド LEXUSが発表した磁気浮上ホバーボード で、前述のパーソナルモビリティとはまた違った形態となっています。どちらにしても、現状、日本ではこれらの乗り物の公道での走行は禁止されているため、移動手段というよりはアクティビティ的な位置付けとされています。
次に「ウィル」「UNI-CUBβ」は、座った状態での移動が可能なパーソナルモビリティ。「ウィル」は電動車椅子として発売されており、自動走行やスマートフォンでの専用アプリによるリモートコントロールが可能な、次世代型車椅子です。「UNI-CUBβ」は、「ウィル」よりもコンパクトで、見た目は椅子とほぼ変わりがありません。主に屋内での使用を想定されたパーソナルモビリティ です。
パーソナルモビリティの課題とは
パーソナルモビリティは次世代モビリティの1つとして世界で注目されています。
それは、歩行支援ロボットとしての可能性も期待 されていると言えるかもしれません。
しかし、課題もあります。そのうち最も大きな課題といえば、パーソナルモビリティの公道走行の可否 です。2018年現在、道路交通法においてパーソナルモビリティの最適な区分が存在していないこともあり、日本では「SEGWAY®」をはじめとする多くのパーソナルモビリティの公道での走行が禁止されています。街中を気軽に移動できる乗り物として開発されていながら、現状では私有地のほか特区や条例で特別に許可された場所でしか、乗ることができないのです。(「ウィル」は車椅子として位置づけされているため、日本の道路交通法では歩行者としての扱いとなり、歩道での走行が可能です。)
一方で海外を見てみると、ヨーロッパはイギリスを除く国々が法律を改正し、公道での走行を認めています。アメリカも多くの州で公道での走行が認められており、警察がセグウェイを活用している事例も登場しています。
パーソナルモビリティの価格は
ここで紹介しているパーソナルモビリティは、形態や機能も様々。2018年11月時点、販売されていないものもあるほか、販売されているものでも価格帯に大きな開きがあります。
磁気浮上ホバーボード「SLIDE」は情報が発表されたのみとなっており、「UNI-CUBβ」や「Winglet」は実証実験中で発売されていません。また、「SEGWAY®」はモデルによって異なりますが100万円前後で発売されているものの、法人向けのみで個人向けの販売は行っていません。
主にレジャーやアクティビティとして活用できる「MONOROVER R2」は10万円前後、「Ninebot One S2」は12万円となっています。遊び道具としては高価格帯となりますが、「移動の代替手段の道具」として考えると、決して高くはないかもしれません。
車椅子として活用できる「ウィル」は、「Model C」が45万円、上位モデルの「Model A」は約100万円ですが、両機種とも障害者や高齢者は介護保険を利用することができます。
超小型モビリティとの違い
この記事では、歩行者に近い感覚で乗れる「パーソナルモビリティ」と、より自動車やバイクに近い感覚で乗る「超小型モビリティ」に分けて紹介してきましたが、国土交通省ではどちらも包括して「超小型モビリティ」とし、道路運送車両法に基づく基準緩和制度を活用した認定制度を創設して、その開発・普及促進を図っています。
その「超小型モビリティ」として認定される規定は、
①長さ・幅・高さが軽自動車の規格内のもの
②乗車定員2人以下のもの
③定格出力8キロワット以下(内燃機関の場合は125cc以下)のもの
④高速道路等を運行せず、地方公共団体等によって交通の安全と円滑を図るための措置を講じた場所において運行するもの
に、安全性向上のための要件などが加わっています。
そのほとんどが電気を原動力としていることなど環境性能に優れ、気軽に乗れて移動できることから、国土交通省は普及に大きな期待を寄せているようです。
参照:国土交通省「超小型モビリティの認定制度について 」
高齢者や障害者の移動をサポートする乗り物として期待
高齢者や障害者の外出の壁となるのが「移動」です。「パーソナルモビリティ」は、お出かけはもちろん、駅や駐車場から目的地への短距離移動の問題も解決してくれるかもしれません。
多くの高齢者が移動に不安を抱えている
パーソナルモビリティが期待される理由に、超高齢社会への対応 が挙げられます。国土交通省「全国都市交通特性調査 」(平成27年)によると、75歳以上の高齢者が無理なく歩ける距離として100メートルを挙げている人が全体の17%もいる結果となりました。外出率に関しても、免許を持っている人と持っていない人では20%近い差があり、日常生活での歩行へのハードルが外出を控えさせていることがうかがえます。
高齢者による免許の自主返納の促進 がある一方で、免許がないと移動や外出がしにくくなり、結果、家の中に引きこもってしまう可能性もある、難しい問題となっています。
パーソナルモビリティで移動が楽に、外出が楽しくなる
パーソナルモビリティの特徴のひとつに、簡単な操作性 があります。立って操作するタイプのパーソナルモビリティは、重心を前後左右に少し動かすだけで移動が可能になることから、慣れてくると「右に行きたいな」と思っただけで自然と操作できるようになります。
また、座って操作するタイプのものも、同様に重心移動や、手元のジョイスティックでの操作が可能です。
コンパクトなところも魅力の一つ 。狭い日本の住宅において、玄関先に気軽に置けたり、車での移動時にトランクに積み込めたり、駐車場から目的地までの移動を楽にしてくれます。高齢者や障害者の外出をサポートできる乗り物でもあるのです。
パーソナルモビリティでQOLが向上
パーソナルモビリティが普及すると、高齢や障害で歩行が難しくなった人の移動がもっと気軽に、楽にできるようになります。すると、高齢者や障害者の社会参加が増えてくる可能性が広がります。
地域の人々が積極的に外に出るようになれば、地域内の交流が増え、高齢者や障害者が孤立しないで済む社会になるかもしれません 。また、外の空気に触れ、他者とのコミュニケーションが活発化することで健康状態にもよい刺激が生まれるでしょう。旅行はもちろん、気晴らしの散歩やちょっとした買い物など、これまで体力的な不安から諦めてしまっていたことができるようになり、私たちの生活の質、 QOLを向上させる可能性 も あるのです。
次世代型モビリティ 電動車椅子という選択
現在、日本で開発、発売されているパーソナルモビリティを紹介してきましたが、現状では歩道を利用できるパーソナルモビリティは次世代モビリティの電動車椅子「ウィル」など数える程度しかありません。最先端技術で小型化されたり、より操作しやすい製品が登場したりしても、そうした乗り物が公道を利用できない日本では普及に拍車がかかりません。そう考えると、「ウィル」に限らず、操作性に優れたコンパクトタイプの電動車椅子はパーソナルモビリティだと捉えることができるでしょう。
実際に、「ウィル」の利用者からは、近場はもちろんのこと、段差を乗り越えられることから電車移動も駅員のサポートなしでできるため(※駅ホームの設計や鉄道会社の規則によってできないケースもあります)、気軽に電車を使って遠出もできるようなった。アプリで操作ができることから、室内で「ウィル」から降りた後に手元の操作で所定の位置に置くことができる、などこれまでの車椅子からさらに便利になったという声が上がっています。片手で操作できることから、移動中にパートナーと近くで並んで歩くことができるという、素敵なエピソードも。
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