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<プレスリリース>WHILL操作時におけるシニアの脳の動きを測る調査に着手 〜医師監修の元、車の運転時と比較検証します〜

WHILL株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長 CEO :杉江理、以下「WHILL社」)は、今秋、近距離モビリティ(次世代型電動車椅子)WHILLの操作時と、車の運転時におけるシニアの脳の動きを比較検証する調査に着手いたします。 WHILL社はこの度、車の運転と類似点が多いWHILLを操作した時にも、車の運転時と同様の動きが見られるのではないかとの仮説を立てました。本調査は、秋田大学で高齢者の健康長寿や住みやすい地域づくりなどについて研究する大田秀隆教授と、 高齢者の安全運転に関する各種提言などを行う中村拓司氏の監修の下、それぞれの操作時における脳の動きを計測・比較し、脳への影響を定量的に分析します。

免許返納件数は2019年以降、増加基調にあるものの(図)、その後の自由な移動手段がなくなることから、返納に踏み切れない方や返納を勧められないご家族も多いのが現実です(注1)。こうした社会課題を受け、免許返納後の「足」としてWHILLの取扱いを開始する自動車ディーラーが続々と増え、現在では全国で20社超に上ります。車を卒業後、高齢でも乗り続けられるWHILLを使い始めた方も多くいらっしゃいます。

図:運転免許の自主返納件数の推移】※警察庁 運転免許統計より作成

一方、車の運転は脳の活性化に有効であることが分かっています。日本認知症予防学会理事長を務める、鳥取大学医学部の浦上克哉教授は著書『運転を続けるための認知症予防ー2017年改正道交法対応』(2017)において、「車の運転は、周囲の状況に気を配り、適度な緊張感を保つ必要があるため、注意力や判断力を鍛える効果がある」 と述べています(注2)。

WHILL社はこの度、車の運転感覚と似ている点が多く、高齢になっても乗り続けることができるWHILLを操作した時にも、同様の動きが見られるのではないかとの仮説を立てました。 WHILLは、シニアの方や歩行に困難を抱える方などを中心にご利用頂いているほか、最近では免許返納後の移動手段として注目が集まっているとともに、施設などでのレンタル運用としての活用機会も増えています。利用者からは「行動範囲がぐんと広がった」「外に出るのがもっと楽しくなった」「疲労を軽減でき、やりたいことにもっと打ち込めるようになった」などの声も寄せられています。また、経済産業省が進める電動車いす等安全対策・普及推進事業の一環として、2020年に全国5都市で行われた実証実験に、WHILL社も参加しました。取りまとめ結果として、1週間あたりの平均外出回数が14%増えたほか、参加者の8割以上が「自分で外出ができるという自信が持てることに役立つ」と回答しました(注3)。

今回の調査では、大田教授と中村氏の監修の元、それぞれの操作時における脳の動きを計測・比較し、脳への影響を定量的に分析し、人生100年時代を生き生きと過ごすための今後の調査や取り組みの一助として役立てていくことを目的としています。

■調査概要(予定)

◇実施時期:2021年10月〜2022年3月

◇被験者:65〜75歳で定期的に運転をする男女5名

◇実施場所:①関東圏の自動車教習所、②被験者自宅及び周辺

◇調査内容:条件をそれぞれ変えた3つのシーンにおける脳血流を測定・比較し、脳の動きを分析する

◇条件別のシーン:①教習所内の同じコースを車とWHILLでそれぞれ走行している時、②自宅周辺の同じコースを徒歩とWHILLでそれぞれ移動している時(10分間)、③自宅でリラックスしている時(10分間)

◇結果公開時期:2022年4月

◇監修:大田秀隆教授(秋田大学高齢者医療先端研究センター・センター長)、中村拓司氏(日本認知症予防学会 認知症予防専門士/道路交通評論家)

 

※本調査は、臨床試験を意図したものではありません。新型コロナウイルスの感染状況によっては予定を変更する可能性があります。

 

■秋田大学 大田秀隆教授からのコメント

「車の免許がないと生活ができない!」という高齢者が増えてきております。特に我が国では、少子高齢化や人口の大都市への一極集中化が大きな社会問題となっています。バスや地下鉄など公共交通機関が発達している大都市はよいのですが、移動手段が限られている地域では、農作業や病院への通院など車がないと生活できなくなるほど切実な状況になっています。高齢者の方々が免許を返納した後でも、そういった社会生活を維持できるようにすること、そのための自動車の代わりになる次世代の移動技術が求められています。

 

■認知症予防専門士 中村拓司氏からのコメント

運転免許を返納した人が急に認知症を発症したり、その症状が進行したりすることはよくあります。運転は、「認知(見る・聞くなど)、判断、操作」の繰り返しで、脳のさまざまな機能を高度に使うことから、脳のトレーニングとも言えます。ただ、いずれは誰もが運転をあきらめなければならない時期はやってきます。その時に自動車の運転に近い操作感覚のWHILLに乗り換えることは、「認知、判断、操作」を継続することにつながるのではないでしょうか。

 

<監修者のプロフィール>

大田秀隆(おおたひでたか) 

秋田大学高齢者医療先端研究センター・センター長

高齢者医療を専門としながら、地域での健康長寿に貢献すべく、認知症やフレイルなど高齢者に多い様々な疾患の予防活動や診療に従事している。

 

 

 

 

 

 

中村拓司(なかむらたくじ) 

一般社団法人日本認知症予防学会 認知症予防専門士/道路交通評論家
高齢者の安全運転に関する各種提言や施策立案などを行いながら、「道路交通評論家」としてフジテレビ「バイキングMORE」をはじめTBS、テレビ朝日などへ出演。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど多岐に渡って評論活動や講演などを行っている。

 

 

 

 

 

 

参考:シニア世代におけるコロナ禍の外出・社会参加影響調査結果について

昨今のコロナ禍を受け、自宅に引きこもりがちになってしまうシニアは多く、外出頻度や人との交流が減少することにより、認知症の進行や生活不活発病の増加が懸念されています。WHILL社が2020年8月に実施した「シニア世代におけるコロナ禍の外出・社会参加影響調査(注4)」によると、シニア世代の約7割で緊急事態宣言(2020年4月時)後に「社会参加機会」が減少しました。公共交通機関の利用も4割程度減っています。特に、歩きづらさを感じているシニアの間では外出頻度(64.7%減)や社会との関わり頻度(66.3%減)の両方で、そうでない方を上回りました。

 

注1:2021.05.28 WHILL株式会社と全国カーディーラー16社が免許返納を応援

https://whill.inc/jp/news/30116

注2:浦上克哉(2017)『運転を続けるための認知症予防ー2017年改正道交法対応』JAFメディアワークス

注3:経済産業省 電動車いす等安全対策・普及推進事業「電動車いすの利活用拡大に向けて~高齢者が地域でいきいきと暮らし続けるためのモビリティ~」

https://www.meti.go.jp/press/2020/03/20210315004/20210315004-2.pdf

注4:2020.08.28 シニア世代におけるコロナ禍の外出・社会参加影響調査結果を発表

https://whill.inc/jp/news/28585

 

■最新モデル「WHILL Model C2(ウィル モデル シーツー)」について

WHILL Model C2は高いデザイン性と、5cmの段差乗り越え、回転半径76cmの小回り能力、リアサスペンションを採用した滑らかな乗り心地などを特長とした、高齢者の安全な外出をサポートする近距離用のモビリティです。

製品詳細ページ https://whill.inc/jp/model-c2

 

<WHILL社について>

WHILL社は、「すべての人の移動を楽しくスマートにする」をミッションとして、世界中で、近距離移動の​プラットフォームを作っていきます。2012年5月に日本で創業し、2013年4月に米国、2018年8月にオランダ、2019年12月には中国に拠点を設立しました。パーソナルモビリティとMaaSの二つを事業の柱とし、パーソナルモビリティ事業では、デザインとテクノロジーの力を生かした、近距離用のモビリティとして、WHILL Model C2をはじめとする製品群を、23の国と地域で販売しています。またMaaS事業においては、障害の有無や年齢に関わらず、だれもが楽しく安全に乗れる一人乗りのモビリティによる移動サービス・システムの提供により、既存の交通機関を降りてから目的地までの「ラストワンマイル」の移動の最適化を行います。