最近ニュースなどでも話題になっている「MaaS」という言葉をご存じでしょうか?それは従来の移動手段の概念を根底から覆すものであり、いわゆる“モビリティ革命”と言われています。MaaSは北欧・フィンランドで始まりましたが、現在では世界中に広がり、日本にも導入されつつあります。
MaaS (モビリティ・アズ・ア・サービス)の定義とは?
「MaaS」はMobility as a Serviceの略で、「マース」と読みます 。MaaSまだ新しい概念なので国によって定義に多少ばらつきがありますが、国土交通省の資料には
“MaaSとは、ICT を活用して交通をクラウド化し、公共交通か否か、またその運営主体にかかわらず、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を 1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ 新たな「移動」の概念である”
(参照:国土交通省 国土交通政策研究所 機関誌PRI Review 69号 パースペクティブ )
とあります。
例えば自宅から目的地まで、バス・電車・飛行機・レンタカーなどを乗り継いで行くとします。現在は各交通機関にそれぞれ予約を入れて決済をしていますが、MaaSが実現することにより、スマホなどで一括して最適な交通手段の検索→予約→決済まで行うことが可能に なるのです。
「MaaS Global」「Whim」とは?
「Whim」とは 、MaaS先進国フィンランドの首都ヘルシンキで、ベンチャー企業「MaaS Global」が提供する世界で初めてMaaS を実現したプラットフォームサービスです。
わかりやすく言うと、経路検索・予約・モバイル決済がまとめてできるサービス のこと。経路検索は日本にもアプリがあり一般的に広く利用されていますが、Whimのすばらしい点は電車やバスだけではなく、マイカーの相乗り・タクシー・レンタカー・自転車シェアなども組み合わせられ、最適な移動手段を利用できるところです。ヘルシンキではこのサービスの実証実験が2016年に始まり、すでに正式に導入されています 。
日本のMaaSへの取り組みは?
MaaSはモビリティサービスの統合や機能面に応じて、0から4までの5段階にレベル分け されています。
レベル0の「統合なし」では、公共交通機関・タクシー・駐車場の利用サービスなどは、それぞれの業者が個別に提供しているレベル。
レベル1の「情報の統合」では、異なる交通手段の情報を一括して検索できるレベルで、経路検索などが代表的なサービス例です。
以降、レベル2は「予約・支払いの統合」、レベル3は「提供するサービスの統合」、レベル4は「社会全体目標の統合」と続いていきます。
このように、さまざまな交通手段が統合され機能が高度化するほどレベルが高く なります。日本のレベルはまだ0〜1 とされていますが、MaaS導入へ着実に進んでいることは確かです。それでは現在日本では、MaaSに関してどのような取り組みがなされているでしょうか。
国土交通省 全国への展開を目指して
国内の交通に関する環境改善を担う国土交通省 では、今後のMaaSの方針を決めるために2018年から「都市と地方の新たなモビリティサービス懇談会 」を開催しています。MaaSを導入することにより、都市・地方がそれぞれ抱える交通サービスの諸問題を解決していく ことを目的としています。
鉄道各社の取り組み
鉄道各社にもMaaSへの取り組みが見られます。
例えば小田急グループ 。小田急グループは東京・神奈川を主な事業エリアとして、鉄道やバスなどの運輸業のほか、不動産業、流通業などさまざまな事業を展開しています。「次世代モビリティを活用したネットワークの構築」を掲げており、「小田急MaaS」の取り組みに加えて、バスの自動運転に向けた取り組みを進めています。2018年6月に神奈川中央交通株式会社、慶應義塾大学と、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスで自動運転バスの実証実験を行ったほか、9月には神奈川県、江ノ島電鉄株式会社と、江の島周辺の公道における自動運転バスの実証実験を行っています。
この小田急グループは、2018年12月に、「小田急MaaS」の実現に向けて、システム開発やデータ連携、サービスの検討を相互に連携・協力することを、ウィルを含む4者と合意しました。
この合意に基づき、「小田急MaaSアプリ」(仮称)の開発開始を宣言。このアプリでは、ヴァル研究所の検索エンジンと連携し、小田急グループの鉄道やバスなどの交通データのほか、タイムズ24のカーシェアリングサービスの所在地や車両空き情報などのデータ表示、ドコモ・バイクシェアのサイクルポートの所在地や自転車貸出可能台数などのデータ表示を可能にします。
また、2019年末までに、このアプリを用いて、箱根エリアと新百合ヶ丘・町田エリアで、利用者のニーズなどを確認する実証実験を実施します。実証実験では、各エリアの交通サービスの情報提供のほか、小田急グループの商業施設などとも連携して、おすすめ店舗や割引優待を提供するなど、公共交通機関の利用とともに商業施設などの利用促進も目指しているということです。
JR東日本 では、MaaSの実証実験が今後いくつか予定されています。観光促進事業と合わせて行われる実証実験では、観光客がそれぞれの交通機関をシームレスに乗り継げるように、スマホアプリ上で検索・予約・決済ができるサービスを提供。マイカーよりも快適な旅行体験を提案していくことにより、地域交通の効率運用に役立てたり、短期滞在の旅行日数を延ばしたりといったことを促進していく予定です。
カーシェアリングなど新しい移動手段が発達する一方で、鉄道も引き続き人々の移動手段として重要であり続けることに変わりはありません。鉄道各社がMaaSへの取り組みを率先して進めることで、サービスのシームレス化が加速することが期待できます。
ソフトバンクとトヨタの新会社設立、自動車業界の流れ
それでは自動車業界の取り組みはどうでしょうか。
2018年10月、ソフトバンクとトヨタ自動車 が、自動運転車を利用した移動サービス事業「MONET Technologies(モネ テクノロジーズ株式会社)」を共同設立しました。トヨタの情報基盤「モビリティサービスプラットフォーム」と、ソフトバンクの「IoTプラットフォーム」を連携して車と人に関する情報を統合し、需要と供給を最適化したMaaS事業を展開していく方針です。
また日産自動車も、DeNAと連携 して無人タクシーの実証実験や、カナダの複合交通アプリ企業に投資するなどMaaSへ積極的に取り組んでいます。
MaaSにおけるモビリティとは
MaaSの概念の中で、「モビリティ」の種類に枠はありません。移動手段は公共交通機関やカーシェアリングなどだけではなく、目的地までの最適化を考えるのであれば、自転車や小型モビリティなどもその一つになります。今後期待されるモビリティをご紹介します。
公共交通機関だけでなく、コンパクトモビリティまで
各社が開発を進める次世代の乗用車「超小型モビリティ」にも注目が集まっています。超小型モビリティは、環境性能に優れた1人〜2人乗りの車両のことです。まだ法律やルールが整っていないため公道を走ることはできませんが、HONDA(本田技研工業)では特定エリアで実証実験も進められているので、乗用車を使うまでもない「ちょっとした距離」を移動する際に活躍する日は近いでしょう。
拡大するMaaSの市場規模
「超小型モビリティ」出現のように、今後従来の移動手段以外にも新しいモビリティが増えていくことは確実です。「マイカー」の販売は減少していますが、モビリティ市場規模は拡大 していくでしょう。
MaaSにおける「ラストワンマイル」のソリューションとは?
ウィル 自動運転モデル
MaaSの対象が“すべての人”であるならば、高齢者や障害者の移動手段を考えることも重要です。そこで、次世代モビリティを提供する「ウィル」の取り組みをご紹介します。
ウィルの取り組みについて
「ウィル」は、障害の有無や年齢に関わらず誰でもスマートに移動できるように、車椅子という枠を超えた近距離モビリティを開発 しています。
ウィルが活躍するのは世界中の歩道領域ですが、いわゆる「ラストワンマイル 」と呼ばれる、自宅からバス停や駅までの距離、着いた場所から最終目的地までのちょっとした距離を補う、だれもが乗れるモビリティとして の利用を視野に入れ、事業を展開しています。
前述した小田急グループと連携して公共交通機関を降りてから目的地までの移動を担うことを発表。すべての人の移動手段を最適化するツールの一つとして、活躍が大いに期待されています。
【関連ニュース】<プレスリリース>「小田急MaaS」に関する企業間連携について~2019年の実証実験を目指し、アプリ開発を開始します~
それ以外にも、現在スタートしているところでは、NPO法人伊勢志摩バリアフリーセンターとの連携による、伊勢神宮での参詣サポートのための「ウィルの貸し出し」活動も行なっています。神社仏閣など、玉砂利が敷いてあって行けなかった場所も、ちょっとした段差も玉砂利も走破できるウィルの車椅子を導入することで行けるようになったと喜ばれています。今後もウィルでは、多くの人が観光を楽しむことができるよう、こうしたシェアリング事業を拡大していく方針 です。
【関連記事】「行ける場所から、行きたい場所へ」―ラストワンマイルをつなぐ、伊勢参拝サポートとウィルシェアリング 」
またウィルは海外でも、スキポール空港(オランダ)、ヒースロー空港(英国)、ラガーディア空港(米国)などでの実用化に向けた協議を関係各社と進めている ほか、空港以外にも、スポーツ施設、商業施設、観光地などでの実用化を順次進めてゆきます。2020年を目途に、公道での実用化も目指しています。
【関連ニュース】<プレスリリース>WHILL(ウィル)株式会社が歩道領域のための自動運転システムをCES2019で発表
経済効果も期待できる
MaaS推進による、新たなモビリティの開発や移動サービスの充実は、私たちの暮らしに大きなメリットをもたらします。
全ての人の、目的地までの移動手段が最適化されることで、これまで行けなかったところへ行けるようになり、できなかったことができるようになる のです。人がスムーズに流動することで、経済の活性化にもつながり、私たちの暮らしは、より良いものになっていくのではないでしょうか?
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